「グルコサミンは医薬品として認められていないから効果はない」
と思ってはいませんか?
確かにグルコサミンは医薬品としての位置を確立していません。
しかしこれには、ある事情があります。
それは、簡単に言うと「グルコサミンを医薬品として認めてもらっても儲からないから」です。
ヨーロッパでは昔からグルコサミンは医薬品として認められており、一般大衆薬(OTC)として用いられています。
対して、日本のみならず、サプリメント先進国のアメリカですら医薬品としては認められていません。
では、これはどういうことか詳しく解説していきます。
目次
グルコサミンを医薬品にしても儲からない
グルコサミンが医薬品としての位置を確立できないのには、お金と医薬品認可制度という制度が深く関係しています。
その辺りを詳しく解説する前に、そもそも医薬品とは何なのかを見てみましょう。
医薬品とは、文字通り、病院で医師が処方してくれるクスリや、薬局・薬店で市販されている風邪薬や頭痛薬などのこと。
配合されている有効成分の効果が認められており、病気の治療や予防に使われるクスリを指す。引用元: 医薬品とは
「…っていうことは、医薬品じゃないグルコサミンはやっぱり効果が認められていないってことじゃないの?」
と思うかもしれませんが、グルコサミンに関してはそう単純なものではありません。
製薬会社が医薬品としての認可を目指す理由はお金のため
そもそも、医薬品として認可されるためには、何年もかけて臨床試験を繰り返し、実験や調査をしてデータを集めて提出しなければなりません。
このデータ集めは製薬会社などが行いますが、これには膨大なお金と時間がかかってしまいます。
膨大なお金と時間をかけてまで認可を目指すには、もちろん理由があります。
それは、ひとたび医薬品として認可されると、特許を取得して出費分を上回るリターンが得られるからです。
製薬会社も慈善事業で薬やサプリメントをつくっているわけではありません。
儲けがなければ生き残れないからこそ、少しでも利益を増やすために、製薬会社は医薬品を目指します。
グルコサミンを医薬品にしても儲からないワケ
ある物質が医薬品として認可された後、特許を取得し独占することによって製薬会社は利益を得ます。
つまり、特許を取得しなければお金には変えられないのです。
日本、アメリカではグルコサミンは医薬品としての位置を確立していません。
そして、日本とアメリカの2つの国に共通して言えることなのですが、すでに存在していて世の中に知れ渡っているポピュラーな成分が、そこから医薬品として認可されるケースはほぼありません。
グルコサミンは、成分として100年以上も昔から知られていれ、あまりにもポピュラーな天然成分です。
そして、天然成分には特許権が及ばないので、特許を取得することができません。
製薬会社が膨大な費用を投じて、グルコサミンを医薬品として認可してもらっても、特許を取得できないので出費も取り戻せません。
このような、日本とアメリカに共通する医薬品の認可制度があるので今後もグルコサミンは医薬品として認可される可能性は低いと見られています。
ヨーロッパでは医薬品として認められている
グルコサミンは、イタリアやフランス、ドイツなどでは変形性関節症の薬として扱われていて、医薬品として認められています。
変形性関節症は、膝の痛みでもっとも多い主な原因として有名です。
このようにヨーロッパ諸国では、変形性関節症に対して医者はグルコサミンとコンドロイチンを与えるのがごく一般的な医療行為として認知されています。
また、アメリカの医師のなかでも、グルコサミンとコンドロイチンを幅広く患者に使い、好成績をあげています。
どちらが良い・悪いというものではない
気をつけてほしいのが、どちらが良いというものでも、悪いというものでもないということです。
大事なのは自分に合ったものを選ぶことです。
「医薬品だから効果が高そう」や「サプリメントだから副作用が少なそう」と言った理由で選ばず、自分の悩みや症状に合わせて数あるサプリメントや医薬品のなかから選ぶのが大事です。
たしかに、少し前までサプリメントには悪質なものが多く販売されていました。
今でこそ、数は減りつつありますが、それでも完全になくなってはいません
腰痛や膝などの関節の悩みや、自分の体調・状況に合ったものを選ぶことで、改善・予防をより効果的にしてくれるでしょう。