【膝の痛み】変形性膝関節症の薬物療法の光と影?副作用のリスクを減らす方法まとめ

突然ですが、あなたは変形性膝関節症、膝の痛みの薬物療法をしていますか?もしくはしようと考えていますか?

だとしたらその治療薬のことや副作用について、少し知っておくことが大切です
実は、アメリカでは変形性膝関節症の治療薬による副作用で、毎年1万6000人もの高齢者が亡くなっているというショッキングな事実があります。

もしかすると、あなたも知らずに使ってしまうかもしれません。
副作用の事実を知っておくだけでもリスクを回避することができます。

というわけで、今回は膝の痛みに用いられる治療薬について解説したうえで、知っておきたい治療薬の副作用や、副作用のリスクを下げる方法をご紹介します。

あなたの膝や軟骨が元気になりますように。

変形性膝関節症の薬物療法は膝の痛みを一時的に抑えるだけ

膝の痛みの主な原因である変形性膝関節症にはいくつかの治療法があります。
運動療法、温熱療法、手術療法、そして薬物療法です。

薬物療法は、いくつかの治療薬を症状に合わせて処方し、膝の痛みや腫れを一時的に抑えます。
残念ながら、痛みの根本的な原因である軟骨のすり減りや関節の変形そのものを治すことはできませんが、つらい痛みをやわらげることができます。

痛みがあるのとないのとでは、日常生活が楽になり動けるようにもなります。
膝の痛みでもっとも危ないことは、膝の痛みのせいで外に出なくなるなど、動くことがおっくうになり、そのせいで筋肉が衰えて最終的には寝たきりになってしまうことです。

変形性膝関節症は進行性の病気で、放っておいて自然に治るものではありません。
だからこそ、痛みや違和感があるのならすぐにでも病院で診察を受けて痛みを和らげることは大切でしょう。

しかし、このときに気をつけることがあります。
痛みや腫れを改善して「ハイ終わり」ではなく、進行を遅らせる根本原因の改善を行わなければ、痛みや腫れは再発してしまいます。

そのためにも副作用のない方法で、自分でできる治療を行っていく必要があります。
副作用のない治療法といえば、運動や減量、軟骨異常の根本原因の改善するグルコサミンのサプリメントを併用するなどです。

膝の痛みに3タイプで用いられる「非ステロイド性抗炎症薬」の効能

非ステロイド性抗炎症薬まとめ表

特徴対象者副作用
内服薬・広く用いられている
・胃腸薬と一緒に処方される
・胃腸への負担が少ないものが増えている
胃腸の疾患がない人胃潰瘍
十二指腸潰瘍
肝臓障害
外用薬・ 効果は内服薬と同じくらいだが、副作用が少ない
・湿布タイプと塗り薬がある
胃腸に疾患がある人皮膚のトラブル
座薬・ 痛みがひどい場合に用いられる痛みが我慢できない人胃腸障害

非ステロイド性抗炎症薬は変形性膝関節症の薬物療法にもっとも頻繁に用いられる治療薬です。
炎症を鎮め、痛みをやわらげてくれる効果があります。

内服薬・外用薬・座薬の3タイプがあり、それぞれに特徴や副作用があります。
主に用いられるのは内服薬と外用薬ですが、痛みがひどい場合には座薬が用いられます。

非ステロイド性抗炎症薬はステロイド薬よりは効果は弱いが、その分副作用も強くないということになっているので、それほど悪化していない関節症によく用いられます。
しかし、それでも副作用の危険性はありますが、副作用に関しては後ほど詳しく解説します。

「内服薬」- もっとも一般的に使われているが胃腸への負担が大きい

内服薬はもっとも広く使わていていますが、服用が長期に及ぶと胃腸への副作用として胃潰瘍、十二指腸潰瘍、肝臓障害を引き起こす危険性があります。
ですので、胃腸薬と一緒に処方されることが多いです。

最近は胃腸への負担が少なく副作用がでにくいタイプのものも使用されるようになっています。
効果が短いタイプの薬を1日に3回に分けて飲むことによって副作用のリスクを下げるのが一般的です。

高齢者の場合は若い人より副作用のリスクが高いので、普通の半分の量から服用をはじめて、副作用がないか確認してから少しずつ量を増やしていきます。

「外用薬」- 貼付薬と塗り薬があり、内蔵に疾患がある人に向いている

外用薬には「貼付薬」と「塗り薬」の2タイプがあり、副作用が弱いことが特徴です。
この2タイプは使用感によって選ばれることが多いです。

副作用が少ないにも関わらず、内服薬と同じくらいの効能をもっているので内蔵に疾患がある人によく用いられます。
しかし、皮膚に使うものなので、副作用として皮膚炎を引き起こす可能性があります。

少し使ってみて異常がないか確認してから使う必要があります。
残念ながら肌が弱い人には向いていませんね。

「座薬」- 痛みが我慢できない場合に用いられる

座薬は、痛みが非常に強くて我慢できない場合に用いられることが多いです。
内服薬や外用薬に比べて、効果が強く素早くあらわれるのが特徴です。

しかし、副作用は内服薬と同じように胃腸への障害をもたらす危険性があります。

関節内注射に用いられる「ヒアルロン酸」と「ステロイド薬」の効能

関節内注射のまとめ

特徴対象者副作用
ヒアルロン酸・関節の中にある成分を直接注射する
・関節の動きを滑らかにして痛みを緩和する
・軟骨細胞の増殖を促し、炎症を抑えるとされる
症状が中程度で、関節の破壊が進みすぎていない場合や、手術を受けられない人膝の腫れやほてり
感染症
ステロイド剤・ 痛みがひどい場合に使う 他の治療法では痛みが治まらなかった人免疫機能の低下
感染症、皮膚萎縮
軟骨の変性
骨がもろくなる

関節内注射では、関節に直接治療薬を注入して痛みを抑えるので、痛みを抑えるという点に関して言えば、効果は高いです。

関節に注射する治療薬は、主に「ヒアルロン酸」と「ステロイド薬」です。

「ステロイド薬」- 膝の痛みが非常に強い場合に用いられる

ステロイド薬は効果がとても強いことで有名です。
関節症がひどく悪化していて歩けない患者にステロイド薬を注射すると、なんとたった3日で歩けるようにになるほどの効果です。

さらに、その効果は即効性があるばかりでなく、抗炎症作用、解熱効果、鎮痛などさまざまな効能をもっていて、非ステロイド性抗炎症薬の数十倍もの効果を秘めています。

しかし、これももちろん一時的なもので、定期的に注射をしなければすぐに痛みは再発してしまいます。
ステロイド薬は、効果も副作用も強烈なため、症状の進行がひどく悪化している場合に用いられます。
ステロイド薬の副作用については後ほど詳しく解説しますね。

関節内注射では、症状が深刻でない場合は主に「ヒアルロン酸」が注射されることが一般的です。

「ヒアルロン酸」- 副作用の心配をせずに膝の痛みを抑えられる優れもの

現在、変形性膝関節症治療の関節内注射で、ステロイド薬の代わりに主に用いられているのが「ヒアルロン酸」です。
ヒアルロン酸は、私たち人間の体のいろいろな所に存在していて、なかでもプロテオグリカンの構成成分として、関節軟骨のなかに多く含まれている成分です。

変形性膝関節症になると、軟骨はすり減ってボロボロになり、ヒアルロン酸の量が減ってしまいます。
そこで、ヒアルロン酸を関節内に直接注射して補うことで、ボロボロになった関節軟骨の表面のすべりを良くし、正常な状態に近づけてくれます。

そうすると、ステロイド薬ほどの速さでありませんが、比較的速いスピードで痛みが引いていきます。
非ステロイド性抗炎症薬と同じくらいの効果があるのにも関わらず、今までに深刻な副作用が報告された例はありません。

しかし、ヒアルロン酸も定期的に注射をし続けなければ痛みは再発するので、痛みを抑えつつ自分でできる減量やグルコサミンサプリなどで根本原因の解決を目指す必要があります。

薬物療法の副作用は高齢者ほど強くでる!少しでも副作用を抑える方法とは

非ステロイド性抗炎症薬やステロイド薬は、変形性膝関節症などの膝の痛みを抑えるための薬です。
そうした薬を用いた薬物療法により痛みを抑えつつ、再発しないための根本的な原因の改善を自分の努力でしていかなければなりません。

しかし、非ステロイド性抗炎症薬にもステロイド薬にも、メリットがあればデメリットがあります。
副作用というデメリットを知っておくだけでも、これから薬物療法をすることになったときのリスクを減らす選択肢を増やせるのではないでしょうか?

それではそれぞれの副作用を解説していきます。

非ステロイド性抗炎症薬の副作用とリスクを下げるポイント

非ステロイド性抗炎症薬は副作用はそれほど強くないとされていますが、長期間の服用は避けるべきです。
消化器官や、胃腸障害の副作用は先程説明しましたが、それ以外にも皮膚や神経系にまで副作用による悪影響が及ぶこともあります。

また、肝臓や血液、腎臓などへの副作用も強く、貧血や白血球や血小板が減ってしまうなどの、「再生不良性貧血」というとても思い病気を引き起こす危険性もあります。
肝臓機能に障害が起こったり、腎臓への影響では、タンパク尿や浮腫、血尿なども誘発します。

動物実験によると、非ステロイド性抗炎症薬は急性の痛みには効果的であっても、慢性的な痛みや炎症には効果は期待できないことがわかっています。
したがって、患者は副作用の危険性にさらされながらも一時的に痛みを抑えるか、副作用のリスクを避けるために痛みを我慢するかの二択を迫られてしまいます。

高齢者ほど副作用のリスクが高い

更に恐ろしいのは、こうした副作用は高齢者になればなるほど強く現れすいのです。
加齢によって内臓機能は衰えます。そのなかでも肝臓の解毒能力が衰えると、十分に代謝が行われなくなり。不必要な分解物が排出されずに蓄積してしまいます。

アメリカでは、非ステロイド性抗炎症薬により毎年10万人もの患者が入院していますが、そのうちなんと7万5000人が高齢者なのです。
そして、副作用で亡くなる患者は1万6000人にも及びます。

副作用を避けるためのポイント

使わないに越したことはありませんが、痛みで苦しい場合は使わざるを得ない場合もあります。
そういった場合には、以下の点に注意して服用してください。

  1. 服用量は必ず守る
  2. 空腹時には服用せず、食後の服用を心がける
  3. 空腹時に服用しなければならない場合は、制酸剤・抗潰瘍剤などを併用する
  4. アセトアミノフェンと併用しない
  5. お酒は控える
  6. 妊娠中、授乳中は服用を避ける
  7. 肝臓、腎臓の以上がないか、血液検査、尿検査をする

ステロイド薬は効果も副作用も強烈

非ステロイド性抗炎症薬よりも効果と副作用が強い薬が、ステロイド薬です。
一般的に非ステロイド性抗炎症薬では痛みが治まらない程の強い痛みの場合に用いられます。

両方の薬は痛みのもとであるプロスタグランジンという成分の産出を抑制する効果があるのですが、ステロイド薬がよく効く理由は、プロスタグランジンを作る前の前の段階にまで浸透して働きかけるからです。

ステロイド薬は非ステロイド性抗炎症薬の数十倍の効果を持ちますが、もちろん注射をやめれば痛みは再発するうえに、重大な副作用さえもたらします。
胃粘膜からの出血や、潰瘍などを引き起こす危険性が高く、胃腸に与えるダメージは深刻です。
また、高血圧や高脂血症、糖尿病、免疫力の低下などの生活習慣病、さらには骨粗しょう症なども大きな問題とされています。

その他の副作用が以下の6つです。

  1. 顔が丸くなる
  2. 首が太くなる
  3. ニキビが出てくる
  4. 毛が生えてくる
  5. 皮膚に線条ができる
  6. 紫の反転が現れる

イブプロフェンの副作用とグルコサミンとの比較実験

イブプロフェンとは、変形性膝関節症の初期から中期にかけて用いられれる鎮痛剤です。
非ステロイド性抗炎症薬やステロイド薬を使うほど深刻でない症状の場合に用いられます。

イブプロフェンは効果はそれほど強くないものの、副作用も強くないことが特徴です。
それでも、副作用がないわけではないので、腎臓や肺が弱っている患者は長期的には服用できません。

そんなイブプロフェンとグルコサミンの効果を比較した実験がヨーロッパでは何度も行われていますので、その一部をご紹介します。

ポルトガルでのイブプロフェンとグルコサミンの比較実験

ポルトガルで行われた、イブプロフェンとグルコサミンの比較実験をご紹介します。

変形性膝関節症の患者を2つのグループに分けて、片方のグループには1日1.2グラムのイブプロフェンを、もう片方のグループには1日1.5グラムのグルコサミンを経口投与し、8週間にわたって痛みに対する改善効果の様子を記録しました。

投与を始めて2週間はイブプロフェンのグループに有効性が認められましたが、その後は逆転し、グルコサミンのグループに高い改善効果が認められました。
イブプロフェンは始めの2週間は効果があったものの、2週間以降は下降線をたどっていきました。

一方でグルコサミンは、2週間後以降も効果が続き、実験期間である8週間がたった時点でももっとも高い効果が発揮されていることがわかりました。
その効果の範囲も、イブプロフェンは痛みに対してだけ改善効果がありましたが、グルコサミンは痛みと同時に膝の腫れなどにも改善が認められました。

副作用がなく体に優しい代替医療を求める患者が急増している!

いま、アメリカでは体に優しく、副作用のない代替医療を求める人が増えています。
代替医療とは、通常行われる現代的な西洋医学に代わる医療のことです。

これまでは、副作用の強い薬物療法や外科的手術など、人の体に優しいとは言いがたい医療があたり前でしたが、これからはもっと人に優しく副作用の心配がない代替医療が求められているのです。

現在、医療機関などで通常行われる医療は西洋医学と呼ばれるものです。
西洋医学は、すでに起きた症状に対してその症状を抑える処置を施すことが基本です。
例えば、熱が出たから下げる、血圧が上がったから下げる、といったようにです。

もちろんそういった対処も大切ですが、これでは根本的な解決にはなりませんし、副作用がでることもあります。
上記で紹介したように、強い副作用のリスクに晒されながらも根本的な解決にはならないのでは意味がありません。

西洋医学と代替医療のいいとこ取りがいちばん!

今回は薬物療法の光と影でいう、影の部分である副作用に関して紹介しましたが、もちろん西洋医学には西洋医学の良いところがあります。

痛みを抑えることに関して言えば、即効性と効果の信頼性は西洋医学に軍配が上がります。
しかし副作用のリスクや根本的な原因の改善度で言えば代替医療の方が上です。

つまり、西洋医学で痛みを抑えたあとは、代替医療で根本的な原因の改善をしていくことがもっとも理にかなった治療法なのです。
これが西洋医学と代替医療のいいとこ取りです。

代替医療の一つには、グルコサミンなどのサプリメントの活用がありますが、グルコサミンには副作用の心配が少ないことでも有名です。

グルコサミンの安全性と副作用について詳しく見る

まとめ

いかがでしたか?
膝の痛みの主な原因である変形性膝関節症の薬物療法には大きなリスクが伴います。

そこでどのような選択をするかは自分自身であり、選択の幅を広げるには知識をつけなければなりません。
薬物療法や代替医療の、良い面も悪い面も知ったうえで判断できるようになりましょう。

もっとも、いちばん良いのは、変形性膝関節症にならないことです。
膝の軟骨細胞が元気であれば元気なほど、グルコサミンなどの効果が高くあらわれるので、早めに予防することが大切です。

また、生活習慣を改めることによって予防することも可能です。
そういった対策や正しい生活習慣も、多数紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

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